パーフェクトワールド

誰が何と言おうと、人生最高にして、今後もうこれを超える作品には出会わないであろう、僕にとっては一番大切な映画。

 もしこの世が「完璧な世界」ならば、
 犯罪も、刑務所も、なかっただろう。
 遅かれ、早かれ、だれもが気づくはずだ。
 「パーフェクトワールド」などどこにもないことを。

シーンの一つ一つに意味があって、心にしみてくる。
そして、衝撃のラストシーン。
当時高校2年生の僕は、涙が止まらず、席から立ち上がれませんでした。

犯罪者ではあるが、ブッチ・ヘインズにも正義があり、それを追いかけるクリント・イーストウッドにも正義があり、ブッチに誘拐されたが、やがて心うち解ける少年にも正義があり、その母親の悲しみもまた正義。
そして、それらの正義は、同時に成立することはできず、誰かが悲しみを負い、その悲しみの犠牲の上で、誰かの正義が果たされる。
世界が「パーフェクトワールド」ではないことを、高校2年生の僕に教えてくれた映画でした。

ケビン・コスナーは、この作品以降今でも一番好きな俳優。
アンタッチャブル、追いつめられて、の頃のかっこよさは、これまた並ぶものがないと思います。
パーフェクトワールド」のブッチ・ヘインズも、また、かっこよい。